前々から話には出ていたもののなかなか実行に移れず、2011年に何かの拍子で旧タイプ2ストさんの倉庫から四十数年振りに引きずり出したF21M。

スタートの状態は…エンジン腰下固着、コンロッド不動で一次圧縮室錆だらけ…ピストンリングも錆びて固着(スペア有り!)、シリンダはまとも、ヘッドもOK。

車体は…フレーム+車輪錆だらけ、タンク綺麗(!)、サスご臨終、シート中身のみで虫の息。
他の小物はまとめて箱の中、欠品不明…って 感じで、何とかなるのかコレ?状態からのスタート。
見る人見る人に「うわぁ…」とか「どうすんの、これ」とか「これ何とかなったら尊敬するわ」とか言われつつ、しばし放置。
秋あたりからボチボチ手を着け始め、フレーム塗ったりするも、実はクランク割った事無し…。

初ケース割りがロータリーディスクかよぉ、とビビりながらキャブカバーを取ってキャブを外し、お〜中に有ると綺麗だねぇ〜と動かしてみればピストン固着…。
その他のネジは一つも緩まずHVMX会長に泣きつくと、緩めてやるが場所が汚れるからサッサと持って帰れ、と言われ。
明けて2012年、ちょうどその頃仕事を辞めてインドア生活を余儀無くされた為、走行に支障が無い程度に各部の磨きを開始。
フロントフォークOHしたら費用的に後戻り出来んようになってしまうので、流用で安価に済ませられんものかと物色して、駄目元でシルクロード用を合わしてみると何と自由長もステムシャフト長もピッタリ!

遂にエンジン以外やる事が無くなり、ならばと5月頃にシールやベアリングの大方が部品出る事を確認してケース割り。

秘密基地OVERFLOWにて、セパレーターという工具を借り、助言付き作業無しで何千円かで作業開始。
割ってみると、ザリザリ〜と言う音と共におどろおどろしい状態のクランクが出現…ミッションはピカピカ!。

ビッグエンドにガタあれば即刻中止宣言するとこでしたが、引っ張ってもガタはゼロ
ならばとガソリンとグリスをビッグエンドに塗りまくって錆がベアリングに入らん様にして、ひたすらウェブ磨き。
いい感じの所で油脂を落とし、クランク回してみると無音にて回転!
ここら辺りで何となくイケそうな気配が漂って…はまだまだ来ません。
ケース側も清掃して、各ベアリング打ち替え中にケースに付けてたミッション周りが外れたり…内側からベアリングを止めるストッパーがヤバい状態だったり(そのまま使っちゃった)。
何となくそれらしく戻して再び秘密基地OVERFLOWにてケース合体。

ボトムニュートラルがわからなくてミッションギアを数えながら不安になったり、キックスプリングを緩く掛けてしまって戻りがフニャ〜となってやり直したりしながら何とか合体。
ミッションチェックはチェンジペダル欠品の為に出来ず 「入るかなぁ?」って聞いたら、「入らんでしょ」だって。
面倒見の良い意地悪な兄ちゃんです。
すぐにミッションオイルを入れる気にはなれず、密閉を確かめずに次の作業へ。
レコード盤状態のロータリーディスクを交換、ケース側もレコード盤状態ですが、こっちは交換出来ないので凸部を削るのみ。
新品のディスクはF4用でタイミングが全然違う為、ディスクを切って同形にしして装着。回してみると「ザラザラ〜」と凄い音…。
ダメだコリャ〜と思いましたが、キャブを付けてピストン閉じてると聞こえないので、そういうモンだと思う事に。
一応腰下は出来た事になるので次は腰上、シリンダ上部に段無しなのでボーリングは不要、スタンダードの新品ピストン入れたら隙間が無いのでソレを使う事にしたのは良いが、リングが無い…社外はオーバーサイズが多いので、少し苦労してようやくスタンダード用リングをトップセカンドとも見つけ、到着後に2本を比べると形は見た目一緒。 リングに刻印無く上下がワカラン…。
どうやって組んでもいいんだろうと適当に入れてシリンダを落とすと…入らない!
ビビりながら何度かリングの上下を変えたり裏表を変えたりしてると、ある時ストンと入ってしまった…入ったんだから正解なんだろうと判断。

でもクランク回すと結構な擦れ音がサッサッと…「まあ、浮いてる訳じゃ無いから音もするだろ」、ヘッドかぶせたら聞こえなくなるので、これもそういうモンだと思う事に。
エンジンが出来上がり、フレームに乗りました。
まだオイル入れてません…ドバ〜と漏れて、ハイやり直し〜が怖いから。
一体整形のマフラー、これがまた入らない!

半日かかって、ヘッドを外してマフラーを入れてまたヘッドを戻す方法を発見してクリア。
残るは点火系、線が何本も出てて、アース線が有るのかどうかも不明…明けて2013年、グズグズしてたらHVMX会長が現れ、とりあえず何か繋いでみぃ!とアースをせずに黒線をコイルに繋いでキックすると、バチバチ〜と来ました!
となれば後はエンジンかけるしかない!
ここでようやくミッションオイル注入〜、奇跡的に漏れ無し!

7月のオフパラに間に合わすべく6月2日、外に引っ張り出してキック数発、爆音が炸裂!
喜んで皆に電話で音を聴かせたりしてると「カチカチカチ〜」と気になる音が混じってるのを発見して即停止。
その3時間後にずっと寝たきりだった父親が亡くなって、再び手をつけたのが6月末。
エンジンマウントの欠けを修正したりブレーキ効くようにしたり、会長から無償貸与品のキャブバンジョーボルトやOVERFLOWから貰ったNSR250用コックをつけたりして急ピッチで再始動へ…あ、まだカチカチ音の原因がわからん…空キックでは異常無し、何だべなぁとヘッドに手をかけると、ん?動いた?
何と、マフラーつけた時に手締めのまんまでした…それでよく掛かるよな〜!
ガッチリ締めて、外でキック、一発で轟音始動、パチパチ!
シフトペダル無いと発進出来んな〜と、色々合わすもどれも合わず。 荒技行使、アルミのレバーを叩き込みました。
さて、試走とキック、さっぱり掛からず…火が飛んでない…ここで力尽き、オフパラ前日に会長の所へ押しかけ、泣きつき作戦を思い付きます。
んで、7月7日の記事に続く訳です。

まあそれにしても、良くモノになったもんです。
その後、フェンダー調整とゼッケン取り付けをやりました。

足のベッタリつくモトクロッサーってイイもんだなぁ。
HVMX会長と秘密基地OVERFLOWに感謝感謝!